《 生きることをあきらめない 》 |
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ひとの身体は、末端から冷えていきます。そして身体全体が冷えてくると、あきらめない(がんばろうという)気力を失ってしまいます。足を湯につけ、ハンドマッサージをする“足湯(あしゆ)”は、末梢血管の血行を良くし、身体全体を温めます。リラックス効果があり夜に熟睡できるだけでなく、生きることをあきらめない気力の維持を援助します。 |
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“足湯”は、阪神淡路大震災の時に避難所でボランティアが始めたことをきっかけに、その後も起きている多くの自然災害で、ボランティアによって引き継がれてきました。今回の東日本大震災でも、あちこちの避難所や仮設住宅で、“足湯”が行われていました。 |
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(特)埼玉カウンセリングセンターでは平成20年より、災害時におけるこころのケア活動を担える『メンタルサポーター』の養成に取り組み、足湯の体験学習を研修内容のひとつとしてに実施してきました。
また、そのボランティアをバックアップするために、日本カウンセリング学会認定カウンセラー会の危機支援部会との連携を図り、『埼玉メンタル・サポート・システム(SMSS)』を構築しました。これは研修を積んだメンタルサポーターと、危機支援を専門とする心理カウンセラーよる、二層式の『災害危機時こころのケア組織』です。
そして、実際に活動をすることになった場合の対策本部が必要であると、次年度への課題を検討し始めた時に、東日本大震災発災が起きてしまいました。この対策本部として設置したのが、『埼玉こころのケアセンター』です。 |
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『埼玉こころのケアセンター』を中心に行っている『災害危機時こころのケア活動』としては、平成23年3月にさいたまスーパーアリーナに避難されてきた、3000人近い方々に対する支援を行いました。このときの“足湯”は、安心と安全、そしてリラクセーションを目的としていました。<急性期支援>
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平成23年9月から実施した、キャンピングカーとテントを利用した移動コミュニティカフェは、コミュニティづくりのお手伝いと信頼関係づくりを目的にした“足湯”です。<中期支援> |
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平成24年1月からは、仮設住宅の集会所を訪問して、地元の保健師さんやケア・マネさんの健康教室の後に、足湯とお茶っこを行っています。毎月訪問する仮設住宅も、4か所になりました。仲間と楽しむお茶っことともに、自分のこころの深いところを語る“足湯”の時間を大事にするために、小さな障子の衝立を使うようにもなりました。また、足湯に来られない方の居宅訪問を行い、保健師さんの見守り活動との協働事業にもつながっています。<長期支援> |
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いま、わたしたちが取り組んでいる“足湯”は、ボランティアがこころのつながりを目的に行っている“足湯”とともに、カウンセラーが専門的立場から、災害危機時こころの支援を目的に行う“足湯”に、重点を置くようになっています。
被災された方々のこころは、この先もっと厳しい状況になられるのではないかと感じています。なかなか進まない復興の中で、迷いながらもたくましく生きられている方々に敬意を表し、わたしたちたちにできる支援を続けていきたいと考え、石巻市内に借用した臨時事務所を拠点に活動を続けています。
わたしたちは、『足湯を入り口としたカウンセリング』を続けることにより、コミュニティと、一人ひとりのこころと身体の健康を、サポートしています。 |
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