“あきらめない”に気をつけて

3月
2014
28

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お茶の間心理学<№7>

たまたまテレビをつけた・・・

安倍首相が羽生結弦選手に
「おめでとう」 の電話をしているシーンが映し出されていた。
「君のあきらめない姿勢に、国民が励まされた・・・」
正確ではないが、そのような内容だったと思う。

確かに、羽生選手の姿は
私たちの重い心を爽やかに駆け抜け
希望をもたらしてくれた。
私の目からは、涙もこぼれた。

しかし一国を背負っている人の発言として
「あきらめないこと」を
『美しい言葉』としてしまって良いのか
むしろ心はさらに重くなった。

羽生選手が素晴らしい演技で終えられた背景には
コーチの的確な指導やプログラム
各地の会場や選手たちの応援があったからではないだろうか。

素晴らしい演技の影には
被災地を離れての生活に
多くの葛藤があっただろう。

あきらめないことが結果をもたらしたような表現は
危険である。
復興が進まない被災地の方々に、「あきらめないで」と言うならば
将来を考える気持ちになれるように
的確な援助とプログラムを示すべきである。

『美しい言葉』は要注意である。
精神論に包まれた無策・・・
応援しているようでありながら
「それはあなたの気持ちの持ちよう」と
責任を逃れていると感じてしまう。

*このように二重のメッセージを感じられるコミュニケーションを
ダブルバインド(二重拘束)といいます。

首相にも、どうか
被災地を、あきらめないで欲しい。
原発被害の処理を 、あきらめないで欲しい。
そして、あきらめなければなんとかなると
思わないで欲しい。