地(じ)と図(ず)

10月
2012
17

posted by on ~ 色即是空 空即是色 ~

お茶の間心理学<№5>
~距離の話しをもうひとつ~

傾聴の講座のサブタイトルに使っていた
そっとそばにいる・じっとそばにいる”を
そっとそばにいる・ずっとそばにいる”に変えたのは
震災の被災者支援に関わってからです。

このブログのタイトルも
ずっとそばにいる”を使うことにしました。

それを今回
じっとそばにいる”に戻そうという気持ちになりました。

この“ずっと”と“じっと”の違いを
ちょっと、味わってみたいと思います。

被災された方に、遠方のわたしたちができることは限られています。
どんなに気持ちがあっても
足を運び続けることは、そう容易いことではありません。
せめて、忘れないこと
そんな気持ちから
ずっとそばにいることを意識したいと思ったのです。

発災から1年7か月が経ち
毎月お会いしているうちに
お話しの流れが変わってきたように感じています。

被災者、とひとくくりにはできない、それぞれの方の生き方が
はっきりしてきたように思います。
「その方にとっての震災」
そこに寄り添うには、やはり
“そっとそばにいる・じっとそばにいる”姿勢が大事ではないかと
そう感じるようになりました。

「コミュニティづくりを応援しながら、個を大事にする」ために登場したのが
障子風の衝立です。
足湯をしながらお話しをするスペースが、お茶っこと同じ空間であったのを
ちょっぴり「あなたのための時間を大事にしている」と感じられるよう
こころの距離を取ったわけです。

実際の距離を離したわけではないのに
周囲が気にならなくなることで、こころにちょっとした距離ができる。
こんな工夫を、わたしたちは無意識にしていることがあります。
あるいはそれができずに辛くなっている時が、あるかもしれません。

そこで考えたいのが
じっと”と“ずっと”で、距離感が違うかどうかです。

ずっとそばにいてもらえたら、とても安心ですし
困ったら、いつでもすぐに助けてもらえそうな感じがあります。
甘えたくなるような、温もりも感じるかもしれません。
でも、近いのか、すこし離れているのか・・・
言葉で安心したくなっている自分を感じてしまいます。

じっとそばにいる、とはどういう感覚でしょうか?
確かに近い距離を感じます。
一方で
離れずにそこにいるのに、手は出さない?
そんな感じもして
それが本当に助けになるのだろうか、と心配になる人がいるかもしれません。

けれど、どういう人生を歩むかは、自分で決めること。
ときには、「あなたが決めたことを尊重します」と
自分が選んだ道を生きる勇気を、後押ししてもらえることが
本当の援助になるのではないかと思っています。

つまり、自立支援ですね。

それは「自分で決めたことだから、自己責任」ということではありません。
決めるまでに、どれだけの時間と労力、そして精神力を使ったことか・・・
じっとそばにいるには
相手を尊重することと、持っている力を信じて待つ姿勢が
根底に必要であると考えています。

さて、の違いを考えていてお伝えしたくなったのは
ゲシュタルト心理学に、“地と図”の考え方があることを思い出し
ひとりで歓喜するのはもったいない気持ちになったからでした。